2019年頃まで販売されていたロングセラー広角レンズAI Nikkor 28mm f/2.8S 【返品済み】

AI Nikkor 28mm f/2.8S – 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_nikkor_28mm_f28s/

カメラはオートフォーカス=AF時代に突入すると、キヤノン、ペンタックスなどは、マニュアルフォーカス時代のレンズをどんどん縮小廃止していきました

そんな中、MFレンズをある程度生産続行してきたのが、ニコンです。
いろんな産業用機械に転用するには、ピントは固定なので、MFでも構わないし、無骨で頑丈なMFレンズの需要があったからです。*ニコン以外にも、ミノルタも、カメラ事業をソニーに売却するまで、しぶとくMDマウント用のMFレンズを作っていましたが、ソニーに売却時にMFレンズ生産は終了。

第五十七夜 AI Nikkor 28mm f/2.8S ニコン千一夜
https://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0057/index.html

この時代に、当時のニコンでは、小型レンズは「フィルター径52ミリにしろ」という制約の中で作られたレンズとしてみれば実に素晴らしい。*最新型のレンズが高性能といっても、このサイズで高性能を実現したわけではなく、大型化しての高性能化なので、当方はちいとも感心しない。

原型モデルは、1981年に誕生し、それ以降光学系はほぼ同じで2019年まで販売されていたので、40年近いロングセラーだった。
ニコンが最初の28ミリのAF単焦点を発売した時、廉価版のシリーズEの光学系を採用し、その評判が逆光性能などが悪かったため、このMFレンズが高く評価されることとなりました。
そしてニコンは、不評の28ミリを更新し、今でも売っている Ai AF 28mm 2.8Dに置き換えますが、これもAFを高速化させるのが優先のせいか、レンズをケチり性能がイマイチで、AI Nikkor 28mm f/2.8Sの株をあげただけでした。

ミラーレスカメラ時代が到来すると、ピント拡大がしやすい特徴があり、一眼レフのように厳密なピント合わせが難しい、見にくい光学ファインダーでは、見向きもされなくなり始めていた、MF専用のレンズを付けて遊ぶのが(あくまでも)プチブームのような状況にもなっています。

マニュアルフォーカスするなら、やっぱりMF専用レンズで、散歩がてらにのんびり撮影なら、ピントを合わせる作業も楽しみの一つ。

当方も一回買って富士のミラーレスにつけて遊んでいましたが、中古品で購入時、気が付かない支障があるのが発覚して、返品しちゃいました。MF時代の無骨な金属製のレンズは、あれば楽しいですが、かといってなければ困るものではないので(XC16-50mmも接写がやりにくいだけで軽くて使いやすいので)、それっきりですね。

まあ、ニコンが生産終了としたのは、カメラマンで買う人がいても中古品購入が殆どで、実際日本とかのブログとかでの購入体験記も「中古で買いました」ばっかw

もはや皆さん新品を買わないからでしょう。また産業用としても最近は中国製品の産業レンズやら、タムロントキナーがいろんなレンズを作るようになって性能もいいので、ニコンのカメラ用のレンズを転用する理由がなくなってきたのかもしれません。

気に入ったところ

最短撮影距離0.2m最大撮影倍率は1/3.9倍を実現 ただしその距離だと像面湾曲が出て、かなり絞らないと性能が出にくい。
富士フィルムのAPS-Cサイズカメラに付けると、換算42ミリで、スナップ用の標準レンズとして使いやすい画角だった。
やっぱりMF専用レンズだけあり、マニュアルフォーカスのやりやすさはピカイチ
現代の安っぽい外見ではなく、金属工業製品だと思わせる作り。
フィルター径52mmで小型コンパクト。
複写ではなく、一般的な撮影(大抵の場合そこにピントが合うような撮影はないから)では気にならないごく隅っこの描写以外は、近距離撮影以外ではほぼ問題ない。F4で大満足。*厳密には周辺減光とかは、かなり絞ってもごく隅には残るケースもあるが、実際の写真効果としてじゃまになるレベルの周辺減光は一段絞れば解消。
歪曲は光学設計だけで抑え込んだにしては優秀。記録撮影でない限り文句ない。*歪曲収差は撮影距離によって変わるので最短撮影距離だと派手になるかもしれない(中古でとあることのババを掴んだ関係でそこまで検証する時間がなかった)

ニコンは、大体のレンズはゴリッとしたコントラストの高い描写が売りだが、デジタルカメラの登場を考えずに設計されたレンズなので、デジタルカメラで使うとやや淡白な写真ができることがある。

APS-Cのサイズのカメラで使うなら、取り立てて目くじら立てることは、開放のコマ収差くらい。*他社のミラーレスにアダプターで使う場合、アダプターーの反射やその他の理由で、ニコン機では生じないフレアが起きることもある。

弱点

逆光には特定の角度を除けばまあまあ
ニコン機では電子補正されるが、他の会社のカメラに付けた場合やや周辺に倍率色収差絡みの収差があるが、小型コンパクト設計のレンズにしたら上出来。ただし、ニコンのNXVIEWのソフトなどで、他社のカメラで撮影した場合でも、倍率色収差補正はできる。

手放した理由

中古品で買ったときには気が付かないとあることでの支障でババを掴んだから返品 ニコンレンズだが、富士のカメラだけで使い、ニコン機に一度も付けずに手放したレンズであった。

フィルムカメラ時代の製品なので、フィルターワークがしやすいよう、小型一般交換レンズは、フィルター径52ミリという制約の中で作られており、その制約で作られたものであれば、現在でも称賛に値する。でかくて高性能なんてのは、別にできて当たり前なんですから、小型でそこそこのほうが難しい。

すすめるか?

のぼ~と撮影するプロセスを楽しみたい+おもちゃみたいな現代のレンズの質感作り、MFでの撮影のしにくさに嫌気が差すなら、MFレンズも面白いが、そうでないなら、別になくてもいいわけです。生産終了ですし、現行品なら中古2万でもありですが、今後は、マニュアルフォーカスのレンズも一本持ちたいとかで、1万5千円以下ででいい個体があれば、おすすめ。
電子部品とかを使っていないので、カビや曇り以外の修理は、今後もニコンのOBとかがやってる修理店でできる。
28ミリは、町スナップに使いやすいレンズ。

ヨドバシ
http://photo.yodobashi.com/nikon/lens/ai28_f28s/

フィルター径52mmの制約で作られたのに、絞り開放でも周辺にレモンボケがあまり出ない、現在のレンズでも見習うレンズ
「商品レビュー:Nikon AI Nikkor 28mm f/2.8S」
2015/11/30
https://www.cameranonaniwa.co.jp/blogs/111016275/

Nikon 28mm f/2.8 AI-s
FX Manual-Focus (1981-today)
© 2013 KenRockwell.com

https://www.kenrockwell.com/nikon/28f28ais.htm

Nikon Nikkor 28mm f/2.8 AiS Lens Review
Last Updated on 06 June 2009
http://slrlensreview.com/web/reviews/nikon/nikon-wide-angle/449-nikon-nikkor-28mm-f28-ais-lens-review

*以下のサイトでは、このレンズより若干前に発売された、廉価版(歪曲が大きく逆光に弱い)Nikon E-Series 28mm f/2.8sの写真と簡単な説明もあります

Information on Nikkor 28mm f2.8 Lens
https://www.mir.com.my/rb/photography/companies/nikon/nikkoresources/28mmnikkor/28mmf28.htm

https://www.google.com/