モデリングには、ベクター形式のイラストや文字をそのまま3Dソフトで立体化する方法もあります。
いわるる頂点Vertexを動かすモデリングや、スカルプトと呼ばれる粘土をこねるようなモデリングではめんどくさい形状の場合、手書きでベクター画像を作ってそのまま立体化して、加工していく方法のほうが楽な場合があります。まあ、好みですが*日本刀のツバなど。
ベクター形式のイラストは、アドビのイラストレーターや、コーレルのCorel Drawなどで作られる、いくら拡大縮小しようが画質が劣化しないタイプのイラストデーターとなります。
このベクター形式の画像ファイルにはいろんな形式がありますが、3Dソフト側で対応しているのはSVG形式がほとんどなので、SVG形式を出力できる、ベクターソフトを用意しましょう。
有料のイラストレーターや、コーレルドロー以外で、無料のベクターソフトといえば、Inkscapeがあります。
https://inkscape.org/ja/release/inkscape-1.0/
専用のベクターソフトは、シンプルな鉛筆やマジックペンで書いた手書きのイラストを、スキャナーなどで呼び込ませてやると、自動でベクター画像化してくれる機能もついています。*もちろん、ペンタブとかで直接パソコンで書き込むのもありですが。
Inkscapeだと、メニューバー → パス → ビットマップをトレース もしくは ピクセルアート
を選ぶと自動的に線をなぞって、アンカーポイントと呼ばれる点を作成し、それを元に線=パスでつないでベクター化してくれます。
Inkscape公式サイトでの説明は、
Inkscape tutorial: Tracing bitmaps(タイトルは英語ですが、本文は日本語です)
https://inkscape.org/ja/doc/tutorials/tracing/tutorial-tracing.html
というわけでパソコン上でラインや線を書いたりする人が苦手な人は、手書きで描いて、スキャナーでパソコンに取り込み、それをベクター画像変換し、SVG形式で保存、Blenderなどの3Dソフトで立体化という方法もありです。イラストレーターのAI形式ファイルなら、やはりSVG変換。
大抵の権利放棄のフリー素材やさんからダウンロードできるベクター画像は、SVG形式です。
権利問題で後でトラブらないように、PUBLIC DOMAIN権利消滅あるいは放棄素材、あるいはPUBLIC Domainにほぼ近い、CO0ライセンスと明記されたものを使ったほうが無難です。ただの著作権フリーは意外と落とし穴があります。
Man icon vector image
https://publicdomainvectors.org/en/free-clipart/Man-icon-vector-image/9384.html
という素材をダウンロードしましょう。SVG形式です。
Blender側では、左上から、File → Import →Scalable Vector Gpraphics(SVG)を選び、ダウンロードしたベクター画像を読み込みます。
すると画面はこうなります、なにもないじゃないのwでもこれ、画像が小さすぎるからなんで、
マウスの真ん中の回転ホイールを上の方に回していくと、ズーム拡大で取り入れたベクター画像が見えます。
マウス左クリックで選択、外周がオレンジ色になります
画面右下のModifierタブを開き、Add Modifierを左クリック
Solidifyを左クリック
色々設定項目はでますが、通常はThick(厚み)以外は弄る必要はないので、適当な厚みが出たところでApplyをクリック
すると立体化完了
後、寝ているのと、起こすのにObject Property タブからRotation回転 とScale大きさの数字を変えてやる
と、以下のように人形アイコンモデルの立体化が終了するので保存。
画面左上でObject Modeになっているのを確認し、以下の手順で、3Dモデル化=Mesh化します
この方式の立体化は、できたモデルをワイヤフレーム表示するといらない頂点=Vertexが大量にできて、特にアニメや動画で動かすモデルとしては、Decimateなどの機能で、頂点数を少なくする作業がいることがあります。実際ベクターから立体化したままで、ワイア表示させると、これ整理しないと見苦しい。
そこでもう一度Modifierタブへ行き、Add Midifierを左クリック
3Dモデルのゴミデーターとなる余計な頂点やポリゴンを自動で整理する方法となりますが
頂点やポリゴン数を減らすDecimateコマンドを選びます
頂点(Vertex)やポリゴン(Polygon)の減らし方の設定は色々ありますが、とりあえず以下のように設定して、 Planarを左クリックで選択して青にする そしてApplyを左クリック
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【Blender 3.3あたりを使っている人へ、2022年10月追記 怒り ちょこまか意味のない操作性を変えるなBlender!】
Blender 3.0あたりから、Decimateのパネル操作のデザインを意味なく変えるという改悪をBlender開発は行ったようで、Blender 3.3では以下のようにレイアウトが変わっています。こういうのは、せっかく皆さんが作った、ちょいと前のバージョンでの解説記事を見た人が、ちょいと新しいバージョンだと、あれ操作変わってるじゃん、どこにコマンドあるの~と、使いにくくするもので、可能な限り改変してもらいたくないですね Version 2.8での操作性大変更の後も、コマコマイラッとする操作変更はやめてもらいたい
Blender 3.30あたりからは、Applyボタンは、以下のところをマウスで左クリックしてプルダウンメニューを出すように変えてあります
すると、Applyの項目が出てくるので、以前のバージョンのBlenderと同じくApplyをマウスで左クリック この操作パネルの変更は全く意味がないのでやめてもらいたい
すると、頂点、ポリゴンが整理されて以下のようになります
BlenderのSVG形式インポーターは必ずしも優秀ではないので、SVGの種類によっては読み込めない場合があります。そのときはAUTODESKが無償で提供しているTinkercadなどを使って立体化し、BlenderにOBJ形式などで渡すといいと思います。
TinkercadでのSVGベクター画像モデリング活用