通常、3Dソフトでは、モデリングでは作り込みしにくい、作り込むと、ポリゴン(Polygon)数が増え、演算が増えて動作が重くなることを防ぐために
Bump Map バンプマップ
Normal Map
Displacement Map
という、高低を擬似的に演出するデーター画像をモデルに適応して、見かけ上凸凹の表面をつくります よく使われるものは、畳とか、人間の皮膚の凸凹なんかが代表的ですね
ハイトマップ Hight Map とか呼ばれたりします
この内Displacemet mapは実際のモデルを変形させるため、動作を軽くさせたいときには使いません。また、物理系レンダラー(Iray, Cycleなど)では、Displacement Mapが事実上機能しなかったり、Low Polygonのモデルでは効果が薄いなど、非物理系のレンダラー(Renderman, 3delight, Fireflyなど)より、Displacement Mapの効果が薄いのは珍しくないです。
Bumpマップが最も原始的で、最近のソフトではより高度なことができるNormalMapの仕様が一般的となってきています。
さて、Daz Studioでいう、HD Morphは、
機能的にはNormalMapとほぼ同じようなものと考えてよく
至近距離での皮膚の細かい凸凹を表現するなどの目的で、Dazが開発したもので、Daz Studioでしか使えず、
DazのGenesis3世代のHD Morphは、Genesis 8世代にはコンバートできないといった、DAZ製の基本モデルの間でも世代が異なると流用が難しく、同じ世代間でも男モデルと女モデルとの間の、HD Morph互換性はないです(最近、Blenderに暗号化されたDAZのHD Morphを移送するスクリプトが某氏によって提供されていますが、Daz側が対策で使えなくする可能性が高い)
働きとしては、NormalMapと大差がないので、NormalMapで代用すれば実用上の問題はないですが、
HD Morphを使った場合、NormalMapを使った場合より、
使用するメモリーが4割近く少なくて済む
レンダリング(画像生成)スピードも4割近く早くなる
など、コンピューターの負担を少なく、NormalMapの代用ができるというメリットもあります
HD Morphは、暗号化されているため、互換性に乏しい=他のモデルに移植が難しい、のですが、そのへんを解決できるHD Morph編集ツールは、Dazが認めた素材モデル販売者にしか配布されません。
ただし、多少動作が重くなるのが構わないなら、自前でNormalmapを作れば、見た目の機能はほぼ同じですので、自作で皮膚の凸凹などが再現したいなら、NormalMapが一番でしょう
ただし、Normal Mapは光線の反射角度を変えて、人間の目に凸凹があるように錯覚させる手法で、DazのHD Morphは、実際のMeshを凸凹変形させて、凸凹感を演出するという点ではDisplacement Mapのほうが原理的に近い。
ので、もし、なにやらの外部ソフトのツールを使ってDazのHDモーフをNormal MapかDisplacement Mapに変換したいなら、Displacement MapのほうがHD Morphを正確に移植はできることになります。Normal Mapは見る角度によってはHD Morphと同じにならない場合があります。ただしDisplacement Mapのほうが、コンピューターのパワーを食いますので、Normal MapとDisplacement Mapの双方を作っておくのが良いでしょう
NormalMapは、ソフトによっても、規格が異なる, Blender, Daz Studio, Poserは、OpenGL形式でNormalMapを扱う
NormalMapなどは、
OpenGL形式
と
DirectX形式の双方があり
上下データーが逆になりますが、
DazはOpenGL形式
PoserもOpenGl形式
ただ、多くのゲーム系アプリでは、NormalMapの基準が、DirectX形式なので、上下関係を反転させる変換を行わないと、OpenGL形式をNormalMapの規格とするソフトでは、DirectX形式のNoralMapをそのまま使うと、高低差が逆さになります。
(変換プリセットがあるソフトもあるが、そうでない場合は、そのNormalMapの赤のRチャンネルを、色調補正などのコマンドがある画像編集ソフトで、トーンカーブの階調の反転の操作)
Blenderは、標準でのNormal Mapの扱いは、PoserやDaz Studioと同じ、OpenGL形式です
Blender uses the OpenGL format.
Normal maps
https://www.blenderkit.com/docs/tutorials/normal-maps/
標準で、NormalMapがOpenGL形式なのは、
他にも、
Maya
Unity
Zbrush
があります。Vroid Studioは、Unity規格からの派生なので、NormalMapもOpenGL形式となりますね
一方、NormalMapがDirectXの設定が標準なのは、
Unreal Engine
3DS MAX
Substance Painter(ただしNormalMap設定画面で、切り替えが簡単にできる)
となりますが、
使う画像エンジン=レンダラー(Render Engine)によっても、NormalMapの標準規格が異なったりします
ちなみに、MMDは、DirectX規格なのですが、MMDモデルのマテリアルテキスチャなどの拡張データー、MikuMikuEffect (MME:MMD拡張ツール).ではOpenGLが標準なので、MMD用のNormalMapも、OpenGL規格が大部分という現実があります