英国の写真家がNikon Z 28-400mm f/4-8 VRをレビュー、中心部は安定したシャープ:フォーカスブリージングがよく抑えられている

28-400mmという高倍率ズームで、周辺はエクセレントにはなりにくいものの、一昔前のような周辺の像が流れたように崩れた甘さがないので、便利ズームとしては良好な画質

ただ円安のせいで、VRスィッチや、MF-AF切り替えボタン、コントロールボタンもないのに、日本での販売価格が妙に高めなのがネックか?

英国のChristopher Frostさんのレビュー

Nikon Z 28-400mm f/4-8 VR lens review

動画3:19 MFリングはスムーズでリニア反応ノンリニア反応の切り替えができる。一部の人が大騒ぎのフォーカスブリージングはとても良く抑えられている

動画4:45 からニコン4500万画素のZ7でレンズ補正をオンにしてのテストチャート撮影

中心部は28mmが最高で素晴らしく、そこから徐々に400mmにかけてコントラストや中心解像が落ちていくもの、200mm, 400mmでも解像はそこそこ維持して、一眼レフの頃の400mmをカバーするズームレンズの多くより良好な結果 400mmの中心は開放から許せるシャープさだが、絞っても改善しない

周辺は28mmでは結構甘いが、昔の同クラスよりずっと進歩、周辺は一昔のように流れはしないが、ただ絞っても色にじみがでて普通クラスのシャープしかない

どの領域でも周辺は絞っても、まあ許せるくらいのシャープさ

85mmでF6, 200mmでF8と、開放F値の明るさがずいぶん暗くなる

動画7:21 歪曲収差 28mmは樽型収差が大きく 50mmでほぼ皆無、100になると糸巻き収差となり、400mmでまた歪曲収差は皆無となる

周辺減光は28mmと400mm近くで強く出る

動画8:13 最短撮影距離は400mm F8でのまあ良く、一段絞るとさらに締まる 28mmでもマクロ撮影が可能だが、F4でも良い画質。一段絞ると色フリンジが消滅 最短撮影には良いレンズだ

動画8:53 逆光 フレアはデルがコントラストの低下は少なくよいね

動画9:13 ボケは特段褒めることもないが、特段悪いわけでもない

高倍率ズームということで、もっと画質が悪いかと思ったけど、予想を裏切った 周辺の甘さの課題はあるけどね

推薦はできるよ

ということです

米ドル価格ならそんな値上がりしてないけど、円安のせいでこの仕上げと仕様で20万超えかというところが引っかからないなら 日本でも好きな人は買えばいいでしょう

レンズ性能とフォーカスブリージング:ユーザーの不安心理を煽って、無駄金使わせるのがカメラやレンズメーカー

フォーカスブリージングが少ないレンズって、動画で本当に必要なの?【機材の性能項目】

ニコン フルサイズカメラ初の28-400mm高倍率ズームレンズを発売; ボケ質は玉ねぎボケはないもののあまり感心しない

ニコンは、Zマウント用の400mmまでカバーする高倍率ズームを発売予告しましたが、日本での販売価格は22万円近いらしいということ 400mmまでカバーするレンズのため、カメラ内蔵手ぶれ補正では足りないと考えたらしく、レンズには手ブレ補正機能が内蔵

米国では1300ドルほどですので、米国では高いとまでは言えないのですが、日本では22万円前後が予想され、MFーAFスィッチ、VRスィッチがレンズについていないことを考えると、日本では、値段相応の仕様になっていないともいえます。

Hands-On With the Nikon Z 28-400mm f/4-8 VR: One Lens to Cover Them All

Mar 26, 2024

Chris Niccolls

Petapixel

https://petapixel.com/2024/03/26/hands-on-with-the-nikon-z-28-400mm-f-4-8-vr-one-lens-to-cover-them-all/

Unfortunately, bokeh quality is not a strong point of the 28-400mm. No onion rings are present in specular highlights, but there is a curious double ring around the outside.残念ながら、ボケ味は 28-400mm の長所ではありません。 明るいハイライト【光源のボケ】にはオニオンリング【玉ねぎボケ】は存在しませんが、外側の周りに奇妙な二重リング【周辺にエッジが出る】があります。… The out-of-focus backgrounds look chaotic because of this and don’t smoothly transition out of focus as well as they could.このため、焦点が合っていない背景は混沌として見え、スムーズにピントがボケていくことがありません。… The autofocus performance was still accurate up close, and the sharpness was decent.オートフォーカスのパフォーマンスは最短撮影距離まで正確で、【接写時の】シャープネスもまあまあでした。(上記Petapixel記事)

と、高倍率ズームなのでボケ質はいまいち とあります

下の動画5:30からボケが見れる

Nikon’s 28-400mm f/4-8 VR is ONE Lens to Cover Them All!

28mmと400mmのときに、最大撮影倍率が1:3とかなり接写能力が高くなる

海外レビュー記事:ニコン・NIKKOR Z 24-120mm f/4 S【Zレンズに外れなし?神話を検証】歪曲収差補正が、カメラでオフにしても実際は切れないようにしてあるのには注意

英国のChristopher Frostさんが ニコンのミラーレスカメラ用Zマウントの標準ズームレンズをテストしてレビューした動画

Nikon Z 24-120mm f/4 S lens review with samples

動画3:19あたりから、ニコンZ7(4500万画素)でのテストチャート撮影 *カメラ内各種収差補正オン

24mm時の中心部は素晴らしい 周辺はがくんと落ちるが、それなりのシャープさ

動画3:58から、60mm(何して60ミリにしたかは不明) 中心部は開放でも相変わらず素晴らしい とは言っても24mmのときのほうがやや良い 60mmでの周辺は、24mmとは違い、開放F4でも、結構いい

動画4:32 120mm 中心部は開放F4からとてもシャープだ 周辺 周辺はF4からとても良い

動画5:02 カメラ内の収差補正が効かない状態にしての 歪曲補正や周辺減光のテスト(カメラ内の収差補正をOFFにしても、このレンズは、強制的に歪曲収差を補正しているので、それが切れる汎用のRAW現像ソフトを探してくれば元の歪曲収差が見れる)

24mmは結構すごい樽型歪曲収差が出て、周辺減光もかなりあります まあ歪曲補正をかけると隅っこの真っ暗な部分は外に追い出されるので、実用的にはOKでしょう

31ミリでは歪曲がほぼなしの状態となり、120mmでは目立つ糸巻き収差が出ているし、周辺減光もまた強くなる

まあ、現在は歪曲も、周辺減光も、カメラ内で補正の電子収差補正、あるいは画像編集ソフトでの補正が前提のレンズで、ミラーレスカメラ用レンズとしては普通かと。

動画6:00 120mm時の最短撮影距離撮影 開放F4ではややソフト、ベールがかかったような描写 F8まで絞ればとてもいい

動画6:10 広角も望遠もゴーストもフレアーもとても少ない

動画6・23 ボケ質 スムーズさという点で特にベストではないが、特に問題はない 

標準ズームとして、ごく普通の性能というところで、このクラスはもともと最高の性能より、取材とかで無難に写真がとれるレンズの位置づけなので、価格的にも妥協があるのは当然、ソニーやキヤノンと細かい項目を争って点数つけしても意味がなく、無難な常用レンズ

マウントがアルミ(この値段で!)、レンズ内には手ぶれ補正を入れなかったことを考えるとやや割高かな?

まあ、他の人の性能テストの記事も比較のため紹介しましょう

Nikon Z 24-120mm f4 S review

18th January 2022 Written by Thomas Camera Labs

https://www.cameralabs.com/nikon-z-24-120mm-f4-s-review/

VR(手ぶれ補正)は4段近くの効果があるが、3段補正くらいあたりの手ぶれ補正が、妙に効きが悪いというテスト結果が出た(なんかの他のカメラのショックと悪影響が出るのか?)

フォーカスブリージング(Focus Breathing)は3%前後と抑えられている

*https://www.cameralabs.com/nikon-z-24-120mm-f4-s-review/2/

Longitudinal Chromatic Aberration(軸上色収差)

このテストでは、非常に少ないとされてますね。開放F値がF4と暗く、もともと出にくいことと高額な光学レンズをさらに数枚使用したことで、パープルフリンジは目立ちにくいらしい

24mm時にわずかにフォーカスシフト現象が出る

50ミリあたり以上の望遠から、像面湾曲(field curvature)の影響がで始める

歪曲収差は、カメラ内でも補正がオフにできず、RAWで撮影しても、アドビのLightroomでも歪曲補正をオフにすることができず確認できなかった。*その辺をキャンセルできるソフトで、歪曲収差を検証したのが、上のChristopher Frostさんの動画

コマ収差は開放から低い

Bokeh quality ボケにははっきりとした玉ねぎボケ(Onion Ring Bokeh)が見られる。非球面レンズの悪影響は、夜景とか薄暗い場所の光源ボケで目立ちやすい。

Close-up performance 焦点距離120mmのときに撮影倍率が、1:2.4くらいのハーフマクロに迫る撮影ができるが、像面湾曲Field curvatureの影響で、F16まで絞っても周辺のソフトさが消えない まあ、接写能力は、あくまでもおまけですし、中心部はいいので、旅先の花とかの撮影では支障はないでしょう。

フォーカスブリージング(Focus Breathing)はある程度距離が離れていれば、特にこの項目の性能が良くないレンズでも、さほど神経質になる必要はないです。古くからのフォーカスブリージングの大きなレンズでの近接撮影でブリージングを減らすテクニックには、接写リングを噛ませて、ピント位置が無限遠近くで撮影することでした

他のレビュー記事

Nikkor Z 24-120mm F/4 S Lens Review

ephotozone 20 Jan 2022 2:24PM by John Riley

https://www.ephotozine.com/article/nikkor-z-24-120mm-f-4-s-lens-review-35864/performance

目視ではなく、機械での解像測定(Nikon NIKKOR Z 24-120mm f/4 S MTF Charts)では、広角側の性能が良く、望遠側になると中心周辺ともやや落ちるレンズ

Distortion(歪曲収差)は、カメラ内の歪曲収差補正をオフにしても、ほとんどでないとこのレビュー記事ではありますが、上のChriostopher Frostさんが、このレンズはカメラ内で歪曲収差補正をオフにしても強制的に歪曲収差補正がかかるタイプのレンズなので、それを切れるRAW現像ソフトを使うと、広角側で猛烈な樽型収差、望遠で結構な糸巻き収差が出ると報告しています

周辺減光(Vignetting)は、最大で-2.1evと、ソニーのFE 24-105mmよりは出にくいですけど、結局は電子補正で補正する時代ですから。

Nikon 24-120mm f/4 S Lens Review

Tom Hogan

https://www.zsystemuser.com/z-mount-lenses/nikkor-lenses/nikon-z-mount-lens-reviews/nikon-24-120mm-f4-s-lens.html

ボケは、他のズームレンズの望遠域(多分標準系ズームレンズ)と比べれば、ややスムースなボケと言えると思うが、どっちかというとちょっと忙しいボケだね

ということ、Tom Hoganは、手ブレ補正機能(ニコンに限らず各社の手ぶれ補正全て)の弊害として、レンズによっては中間位置のボケがひどく悪化するレンズが有ると良く指摘しますが、このレンズについてはVRの副作用でのボケの悪化については、特に批判はない。

歪曲収差をカメラ内でオフにしても強制的に補正するタイプの、ちょいとちょろまかしがあるのがこのニコンレンズですが、まあ標準ズームとしては無難な性能かと