英国のChristopher Frostさんが ニコンのミラーレスカメラ用Zマウントの標準ズームレンズをテストしてレビューした動画
VIDEO
Nikon Z 24-120mm f/4 S lens review with samples
動画3:19あたりから、ニコンZ7(4500万画素)でのテストチャート撮影 *カメラ内各種収差補正オン
24mm時の中心部は素晴らしい 周辺はがくんと落ちるが、それなりのシャープさ
動画3:58から、60mm(何して60ミリにしたかは不明) 中心部は開放でも相変わらず素晴らしい とは言っても24mmのときのほうがやや良い 60mmでの周辺は、24mmとは違い、開放F4でも、結構いい
動画4:32 120mm 中心部は開放F4からとてもシャープだ 周辺 周辺はF4からとても良い
動画5:02 カメラ内の収差補正が効かない状態にしての 歪曲補正や周辺減光のテスト(カメラ内の収差補正をOFFにしても、このレンズは、強制的に歪曲収差を補正しているので、それが切れる汎用のRAW現像ソフトを探してくれば元の歪曲収差が見れる)
24mmは結構すごい樽型歪曲収差が出て、周辺減光もかなりあります まあ歪曲補正をかけると隅っこの真っ暗な部分は外に追い出されるので、実用的にはOKでしょう
31ミリでは歪曲がほぼなしの状態となり、120mmでは目立つ糸巻き収差が出ているし、周辺減光もまた強くなる
まあ、現在は歪曲も、周辺減光も、カメラ内で補正の電子収差補正、あるいは画像編集ソフトでの補正が前提のレンズで、ミラーレスカメラ用レンズとしては普通かと。
動画6:00 120mm時の最短撮影距離撮影 開放F4ではややソフト、ベールがかかったような描写 F8まで絞ればとてもいい
動画6:10 広角も望遠もゴーストもフレアーもとても少ない
動画6・23 ボケ質 スムーズさという点で特にベストではないが、特に問題はない
標準ズームとして、ごく普通の性能というところで、このクラスはもともと最高の性能より、取材とかで無難に写真がとれるレンズの位置づけなので、価格的にも妥協があるのは当然、ソニーやキヤノンと細かい項目を争って点数つけしても意味がなく、無難な常用レンズ
マウントがアルミ(この値段で!)、レンズ内には手ぶれ補正を入れなかったことを考えるとやや割高かな?
まあ、他の人の性能テストの記事も比較のため紹介しましょう
Nikon Z 24-120mm f4 S review
18th January 2022 Written by Thomas Camera Labs
*https://www.cameralabs.com/nikon-z-24-120mm-f4-s-review/
VR(手ぶれ補正)は4段近くの効果があるが、3段補正くらいあたりの手ぶれ補正が、妙に効きが悪いというテスト結果が出た(なんかの他のカメラのショックと悪影響が出るのか?)
フォーカスブリージング(Focus Breathing)は3%前後と抑えられている
*https://www.cameralabs.com/nikon-z-24-120mm-f4-s-review/2/
Longitudinal Chromatic Aberration(軸上色収差)
このテストでは、非常に少ないとされてますね。開放F値がF4と暗く、もともと出にくいことと高額な光学レンズをさらに数枚使用したことで、パープルフリンジは目立ちにくいらしい
24mm時にわずかにフォーカスシフト現象が出る
50ミリあたり以上の望遠から、像面湾曲(field curvature)の影響がで始める
歪曲収差は、カメラ内でも補正がオフにできず、RAWで撮影しても、アドビのLightroomでも歪曲補正をオフにすることができず確認できなかった。*その辺をキャンセルできるソフトで、歪曲収差を検証したのが、上のChristopher Frostさんの動画
コマ収差は開放から低い
Bokeh quality ボケにははっきりとした玉ねぎボケ(Onion Ring Bokeh)が見られる。非球面レンズの悪影響は、夜景とか薄暗い場所の光源ボケで目立ちやすい。
Close-up performance 焦点距離120mmのときに撮影倍率が、1:2.4くらいのハーフマクロに迫る撮影ができるが、像面湾曲Field curvatureの影響で、F16まで絞っても周辺のソフトさが消えない まあ、接写能力は、あくまでもおまけですし、中心部はいいので、旅先の花とかの撮影では支障はないでしょう。
フォーカスブリージング(Focus Breathing)はある程度距離が離れていれば、特にこの項目の性能が良くないレンズでも、さほど神経質になる必要はないです。古くからのフォーカスブリージングの大きなレンズでの近接撮影でブリージングを減らすテクニックには、接写リングを噛ませて、ピント位置が無限遠近くで撮影することでした
他のレビュー記事
Nikkor Z 24-120mm F/4 S Lens Review
ephotozone 20 Jan 2022 2:24PM by John Riley
https://www.ephotozine.com/article/nikkor-z-24-120mm-f-4-s-lens-review-35864/performance
目視ではなく、機械での解像測定(Nikon NIKKOR Z 24-120mm f/4 S MTF Charts)では、広角側の性能が良く、望遠側になると中心周辺ともやや落ちるレンズ
Distortion(歪曲収差)は、カメラ内の歪曲収差補正をオフにしても、ほとんどでないとこのレビュー記事ではありますが、上のChriostopher Frostさんが、このレンズはカメラ内で歪曲収差補正をオフにしても強制的に歪曲収差補正がかかるタイプのレンズなので、それを切れるRAW現像ソフトを使うと、広角側で猛烈な樽型収差、望遠で結構な糸巻き収差が出ると報告しています
周辺減光(Vignetting)は、最大で-2.1evと、ソニーのFE 24-105mmよりは出にくいですけど、結局は電子補正で補正する時代ですから。
Nikon 24-120mm f/4 S Lens Review
Tom Hogan
https://www.zsystemuser.com/z-mount-lenses/nikkor-lenses/nikon-z-mount-lens-reviews/nikon-24-120mm-f4-s-lens.html
ボケは、他のズームレンズの望遠域(多分標準系ズームレンズ)と比べれば、ややスムースなボケと言えると思うが、どっちかというとちょっと忙しいボケだね
ということ、Tom Hoganは、手ブレ補正機能(ニコンに限らず各社の手ぶれ補正全て)の弊害として、レンズによっては中間位置のボケがひどく悪化するレンズが有ると良く指摘しますが、このレンズについてはVRの副作用でのボケの悪化については、特に批判はない。
歪曲収差をカメラ内でオフにしても強制的に補正するタイプの、ちょいとちょろまかしがあるのがこのニコンレンズですが、まあ標準ズームとしては無難な性能かと